良い日本刀の買い方

いい日本刀を買うためには、正しい勉強とよき師の選び方が大事です。刀剣収集家は”熱の高い人”が多いです。見るもの全てが欲しくなる。焦りに焦り失敗したりしないために正しい基本の「型」で万全を期すことが大事です。我流での日本刀選びは上達、進歩の道がふさがれることとなります。刀姿によって時代を知ることが重要です。時代を知るためにはどういうことが必要かというと、刀の姿、形、こういう物を正しく自分のものとしてキャッチするということです。初期のころの太刀の姿、それから次は室町時代になって打刀の姿、江戸時代になっての、いわゆる日本刀というものの姿、そういうものは簡単に考えても、平安、鎌倉、というような時代には馬を使い、馬に乗ってその上から切りおろすという使い方、したがって馬上から切るためにはそれに最も適した格好、姿というものがなければいけないし、室町時代の日本刀になってくると、これはいわゆるいよいよ進んできて相手より少しでも早く一瞬でも葉約切りつけるという抜き打ちが勝利への道であり、そういうものに適した背がたというものができた。江戸時代になってくると、もし使うことがあればといった仮定の戦いです。そういうことによって各時代の流れを知る。後ろには必ず歴史があります。だから物の時代を知るということは結局そのバックを知り、歴史を知って、その歴史にあったような作品というもの、作刀というもの、それがその時代に本当に生きておったものだ、ということになるわけです。それから次は諸国によってそれぞれの流派というものがあるわけなんです。で昔から流派というものは古刀時代に五ケ伝というものがある。その一番古いものが大和、大和伝というものが一番古い。続いて山城。平安京に都を移し政治の中心、文化の中心ということになり」山城伝というものがある。それから備前という国は非常に良質の砂鉄の産出したところです。そいう関係で備前には非常な名刀ができた。それが備前伝です。鎌倉に頼朝が幕府を開くようになって、それまで文化の遅れていた地であった関東、その関東に刀鍛冶が移っていき、作刀するようになった。次第に一つの鎌倉様式というものができて、それが正宗によって大成する。これが相州伝です。美濃という国は今の岐阜県ですが、都から非常に近い。だから都との文化の交流が深い。そうして発達したのが美濃伝です。この五つが基本となって日本刀というものの発展、あるいわ進歩というものがずっと続いているわけです。